乳癌手術の訴訟

三重県にある山田赤十字病院にて、乳癌の手術方法について十分な説明がないままに乳房を切除されたことについて、訴訟が提起されていました。精神的苦痛に対する損害賠償としておよそ2600万円が求められていましたが、津地裁は病院の説明不足があるとして約220万円の支払いという判決を下しました。

原告である患者さんは山田赤十字病院にてがんを発見され、翌月に切除を受けていたということです。今回のケースにおいては、リンパ節への転移が疑われる状況にあり、手術を受けることになった可能性は高いとされたものの、乳房温存療法についての説明があれば希望していたと考えられる状況だったことが裁判で明らかにされました。

乳癌の治療において、手術が効果的な方法であることは事実です。しかし、時として女性としての尊厳や美意識に抵触するものでもありますので、十分な理解と納得が不可欠な要素となります。病院として、説明責任があるのは当然のことですし、選択肢があるなら、それを提示するべきでしょう。

実際問題として、がんと告知された段階でパニックになってしまい、自分の頭で情報を咀嚼することもできないまま、医師の言いなりになってしまうこともあると思います。しかし、少しでも落ち着いて他の選択肢がないかを考えることも大切です。セカンドオピニオンという方法もあります。

同じ病状であっても、診断を行った医師によって異なる治療方法を選ぶことがありますし、複数の可能性が残されていることもあります。他にどのような方法が存在するかについても、理解しておきたいところです。裁判になってしまえば、患者さんにも病院にも大きな負担になりますし、勝訴してもすべてを取り戻せるわけではありません。可能な限り、そうなる前に危険の芽を摘んでおきたいものです。

社会的な注目と、個々の医師の倫理

インフォームドコンセントが話題になってから、もう何年もたちます。このインフォームドコンセントというのは、事前に十分な説明を行い、患者の同意を得なくてはならないというルールで、医師が特権階級の専門職として横暴に治療方針を決めたり、患者の気持ちを踏みにじるようなことをできなくしたものです。

国際的にもインフォームドコンセントは重視する潮流にあり、日本に限ったことではありません。手術をするのなら、その説明があるのは当然です。

一方で、乳癌の場合にかぎらず、病院で高圧的な態度の医師に遭遇することはありませんか?現場は閉鎖的な環境なので、世界的な流れなんて関係ありません。相変わらず、プライドのかたまりのような医師は多いものです。

そもそもコミュニケーションは医師になれるかどうかにおいて、特に必須とされているわけでもありません。知識はあっても人格がついてこないというのは、どの職業においてもあることです。

そのため、人間的に信用出来ないと感じるのなら、転院も考えた方が得策な場合もあります。乳癌の治療は命がけですし、長期に及ぶこともあります。そんな時、信用も信頼もできない主治医を頼らざるをえないのは、大きなハンデになります。

訴訟にまでもつれこむのは、患者・遺族側にとっても負担が大きく、不幸なことです。さわらぬ神にたたりなし、ということもあるので、主治医選びには気をつけてください。